未成年者の親権をとるには・・・

またまた離婚の話題になりますが、今日は子どもの親権に関する記事です。


未成年者の子どもがいる場合、離婚自体には合意していても、子どもの親権について合意ができない場合が結構あります。当事務所で取り扱う離婚事件もこの種のものは少なくありません。


離婚したいときは、家庭裁判所に対して離婚調停を提起しますが、このような展開になった場合には、調停では話がまとまらないということですから、別の手続をとらなければいけません。

具体的には、①離婚裁判を提起する②離婚問題全般について審判移行をする③離婚については調停条項を作成し、親権者指定についてのみ後日審判をすることとする、というものです。

このいずれの手段を採るべきかはケースバイケースですが、私は③の方法をとることが多いです。それは、この方法だと、争点が親権者指定のみについて絞られ、争点が拡散せず円滑で充実した議論をすることができ、子の福祉(子どもの幸せ)を考えるために建設的な議論ができるからです。


ここで、申し上げたいのは、いずれの方法においても、当事者においては、「原則」「例外」を意識した状況に応じた適切な主張をすべきだということです。

例えば、親権者指定については、「父母のどちらに親権を持たせることが子どもの福祉(子どもの幸せ)」に叶うかという判断基準で判断されますが、その判断要素の1つとして「母性優先の原則」というのがあります。


母性優先の原則」とは、幼少の子どもは父親よりも母親による養育監護が必要であるという一般原則です。この原則に従えば、少なくとも乳幼児については母親が親権を持つことが原則なのですから、母親は自らの監護能力について詳しい説明をする必要はありません。他方で、父親が親権を争うなら①本件は原則通りの取り扱いをすべきでないこと(母親が監護能力に問題があること)②例外として父親である自分に親権を持たせてもいいこと(監護能力などで少なくとも母親には優位であること)の二点を主張しなくてはいけません。


つまり、父母で(特に乳幼児の)親権が争いになる場合、父親の方から議論を仕掛けないと議論が始まらないのです。父親がこの二点を主張できない場合、剣もほろろに言い分を一蹴され、結論は「未成年者(子ども)の親権者は(母親)と指定する」という判決・審判が下るという当然のオチなのです。

裏を返すと、父親であっても、この主張枠組みにしたがって適切に事実を主張立証できるのなら、親権を獲得できる可能性は十分あります。専門家ではない一般の方が「親権は(有無を言わさず)母親有利」ということをおっしゃっていることがありますが、それは完全な誤りです。一般論ではそうですが、その一般原則が本件にあてはまるのかという一番大切なところを検討できていない稚拙な意見だと思いますから、無視していいでしょう。


いずれにしても、親権を本気で争われるのであれば、よほど状況に恵まれない限り、自力で親権を獲得することは不可能でしょうから、専門家の介入は不可欠です。

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